敏感肌のためのスキンケアガイド

敏感肌のためのスキンケアガイド

「なんだかお肌の調子が不安定…」「もしかして敏感肌…?」
そんなお肌の不安や悩みを抱えている方は数多くいらっしゃいます。
季節の変わり目や生活環境の変化、ライフスタイルや生活習慣など日常生活の中のささいな要因によって、私たちの肌は敏感に傾いてしまいます。
まずはお肌の状態と原因を正しく知り、適切なスキンケアを選択することが解決への近道。
正しい知識を持って、私たちが持つ“素肌のチカラ”を目覚めさせましょう。
皮膚科医監修のもと、敏感肌の状態や正しいスキンケア方法などをご紹介しています。

私たちの素肌のチカラ
正常なバリア機能とは

正常なバリア機能

私たちが普段何気なく「皮膚」と呼んでいる部位は、表皮・真皮・皮下組織の3層から構成されています。表皮の厚さはわずか0.2mm程度。皮膚を構成する3層の中でもっとも薄い層ですが、日光(紫外線)、ほこり、細菌、汗、乾燥といったさまざまな外的刺激から体を直接保護する「バリア機能」という重要な役割を果たしています。
そんな肌の「バリア機能」の中でも、大きな役割を占めるのは「皮脂バリア」と「角質層バリア」の2種類のバリア層です。

皮脂バリア

表皮の一番外側には皮脂腺から分泌される皮脂で形成される「皮脂膜」が存在し、肌の表面を薄く覆うことで、肌内部の水分を逃さず、外部の刺激からも肌を守ってくれています。
まるでクリームやオイルのような役割を果たしてくれる存在です。

角質層バリア

角質層には天然保湿因子(NMF)を含んだ細胞と、その細胞同士の間を埋めている細胞間脂質が存在します。水分と結合しうるおいを抱え込む天然保因子(NMF)と、水分の層と油分の層がまるでミルフィーユのように重なった層状構造で水分をしっかり挟み込んで逃さないラメラ構造という細胞間脂質の働きで、肌内部の水分をバランスよく保ちます。
また層の根元となる基底層では日々、天然保湿因子(NMF)を含んだ新しい細胞が生み出されます。新しい細胞が生み出されるたびに古くなった細胞は上に押し上げられ、やがて垢(あか)となって剥がれ落ちます。
この肌の生まれ変わりをターンオーバーと呼びます。ターンオーバーが正常な周期(約28~30日)で行われることにより、水分を抱えた細胞が角層内にびっしりとすき間なく並ぶことで、外部刺激の侵入を防ぐバリア機能として働きます。

このように私たちの素肌にはもともと「水分を抱え込み、逃さない」チカラがあり、外部刺激から肌を守る「バリア機能」が備わっているのです。

敏感肌ってどういう状態?
バリア機能崩壊敏感肌の負のスパイラル

敏感肌に悩む女性のイメージ

「敏感肌」という言葉をよく耳にしますが、実は皮膚科学的に「敏感肌」の明確な定義は存在しません。下記のような肌トラブルが慢性的に、または一時的にでも繰り返しみられる場合、肌状態が「敏感」に傾いていると考えられます。
ではこのようなトラブルが起こっているとき、私たちの肌は具体的にどのような状態になっているのでしょうか?

もしかして?敏感肌のサイン!?お肌の様子をチェックしてみましょう

  • いつもの化粧品がヒリヒリとしみることがある
  • 紫外線、乾燥、汗、花粉などの影響で赤みかゆみが出る
  • 忙しいときやストレスを感じると肌が荒れやすい
  • 季節の変わり目に肌トラブルを感じる
  • 髪の毛や服が肌にあたってかゆくなる

「敏感肌」=「皮膚バリア機能」が弱くなった肌のこと

一般的に前述のようなトラブルが起こる肌では「皮膚バリア機能」が低下しています。何らかの理由で皮脂膜が均一でなくなったり、天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が少なくなってしまうと、バリアとして機能するはずの構造にすき間が生じ、そのすき間から外的刺激が入り込んでしまいます。正常なバリア機能が働いている肌にとっては問題の無いささいな刺激であっても、肌荒れや赤み、かゆみ、ひりつきといった肌トラブルを引き起こしてしまいます。
また、こうしたバリア機能が壊れた肌では、水分の蒸発を防ぐことが出来ず、さらなる乾燥状態の進行を招いたり、慢性的な炎症が続き、症状が悪化することがあります。

敏感肌の状態図

敏感肌の負のスパイラル

肌のバリア機能が低下すると、刺激を受けやすい状態になります。また肌のうるおいも逃げやすくなるため乾燥が進み、肌トラブルを起こすようになります。
その結果、肌は敏感な状態から抜け出せなくなる“負のスパイラル”に陥ってしまいます。

敏感肌の負のスパイラル 皮膚のバリア機能の低下 乾燥 肌トラブル

敏感肌とは一般的に「皮膚バリア機能」が低下した肌状態のことであり、「皮膚バリア機能」の正常化が、敏感肌の負のスパイラルから抜け出す鍵となります。

肌トラブルはなぜ起こる?
バリア機能が壊れてしまう原因とは

様々な肌トラブル ・刺激・紫外線・乾燥・ストレス・生活習慣・体質・睡眠不足・アレルギー・更年期・加齢・妊娠・出産・ホルモンバランスの乱れ

1つだけじゃない!いくつもの要因が私たちの肌を敏感にする

仕事や家事に毎日忙しい現代、季節や紫外線、日々の生活習慣など様々な要因が私たちの肌へと影響を及ぼし、肌トラブルを引き起こします。

私たちが抱えるさまざまな外的・内的要因 乾燥の進行・ターンオーバーが乱れる 敏感肌の負のスパイラル

なぜバリア機能は壊れるの?

バリア機能が壊れてしまう原因として、乾燥や紫外線、物理的な刺激などの外的要因と、ホルモンバランスや生活習慣の乱れなどの内的要因の2つが考えられます。
心当たりがある方は、スキンケアを見直したり、ご自身のライフスタイルと上手に付き合っていくことが大切です。

1.外的要因

乾燥

外気やエアコンの影響で肌の水分が奪われてしまうと、肌内部の水分が不足し、スカスカになった細胞のすき間から外部刺激が入りやすい状態となります。

化粧品

使用しているスキンケアアイテムが多すぎることや誤った組み合わせなどが、敏感肌の原因となってしまうことがあります。また必要以上の洗顔も敏感肌の原因となります。

乾燥のイメージ

2.内的要因

加齢

加齢によって皮脂の分泌量が低下し、皮脂膜が形成されにくくなり、肌内部からの水分蒸散を防ぐことが出来なくなります。
またターンオーバーのサイクルも悪くなるため、天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質の産生量も減少し、肌内部の水分バランスも不足しがちになります。

敏感肌と生活習慣の関係

食事や睡眠などの生活習慣・ストレスなどによって肌のターンオーバーが乱れ、未熟で面積が小さい細胞が表面に並ぶため、肌内部に隙間が生じ、外部刺激が入りやすい状態になります。
また肌の中から水分が蒸発しやすい状態へとなってしまいます。

加齢悩み

ホルモンバランスの関係

ホルモンバランスの影響で皮脂分泌が過剰になったり、逆に乾燥気味になることがあります。このホルモンバランスの増減は月経だけではなく、妊娠・出産、更年期と女性の生活と深く関係しています。
「生理中だけ肌が敏感になる」、「40代になってから急に刺激を感じるようになった」など、一時的、または急な肌質の変化を感じる方も多くいらっしゃいます。

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