乾燥肌を立て直す!?セラミドの知られざる秘密
「セラミド」という言葉を耳にしたことはあるけれど、実際はどのような効果があるのかは分からないという方も多いのではないでしょうか。
注目の成分セラミドの知られざる秘密についてお伝えします。
最前線で肌を守る重要成分”セラミド“
赤ちゃんの肌や、陶器のようにキメ細かな肌など、キレイな肌に共通するのは、たっぷりとうるおいを蓄えていることではないでしょうか。特に、肌の一番外側の組織=角質層がうるおいに満ちていると、その肌は見た目にもふっくらなめらかでみずみずしいものです。角質層は、うるおいを逃がさないようにとどめて乾燥を防ぐだけでなく、外からの刺激をブロックするという大切な役割も担っています。そんな重要な角質層を整えるカギを握っている成分がセラミドなのです。
角質層は、外からの刺激を肌の中に通さず、内側の水分を逃がさないように、細胞がずらりと整列し、薄い層を形成しています。その細胞の隙間を埋めているのが細胞間脂質で、それを構成している主要成分がセラミドです。セラミドは、油とも水とも仲良くできる性質を持っているため、一方ではセラミド同士がつながって油の層を作り、もう一方では、水をがっちり抱え込んで(結合しながら)水の層を構成。そうして、水と油の層が交互にキレイに並んだラメラ構造が作られます。このラメラ構造によってがっちり抱えられることで、肌の水分は逃げず、うるおいが保たれるのです。

実は角質層に存在する水分には、自由に動くことのできる状態の「自由水」と、細胞間脂質の間で強く結びついている状態の「結合水」の2種類があります。自由水は、極度の乾燥状態で蒸発し、摂氏0度以下で凍るのに対し、結合水はセラミドなどにより角質層の中でがっちりと抱え込まれているので、蒸発せず凍ることもありません。乾燥が気になるからと水分を補っても結合水ではないので、乾燥した環境下では蒸発しやすく、また、水分の蒸発を防ぐフタ代わりにと油分を塗っても、すべての水分を肌にとどめられるわけではありません。肌のうるおいを守るためにも、バリア機能を整えるためにも、セラミドは欠かせない存在なのです。
大人になるほどセラミドは減っていく…
セラミドは肌にもともと存在する成分ですが、加齢とともに減っていくことが分かっています。ほかにも、日常生活で特に気を付けたいのが洗う行為です。多くの洗浄剤は、汚れを取るために活性剤で油を取り込み洗い流しますが、その際にセラミドも一緒に取り込まれ、肌から流出してしまいます。さらに、洗う際に肌をゴシゴシこすると、物理的に角質層が剥がれて細胞間脂質がむき出しになり、セラミドはいっそう流出しやすくなってしまいます。できるだけセラミドを失わないように、気を付けて洗うように心がけましょう。
保湿ケアをしてもなかなか乾燥が治まらないという方は、角質層の乱れが原因かもしれません。角質層が乱れた状態では、せっかく与えたうるおいも逃げてしまいがちです。角質層の細胞同士をつなぎとめ、整列させるために欠かせないセラミドを補い、角質層を整えることから始めましょう。
健康な肌を目指すためにも、うるおいを守るためにも、セラミドをお手入れに取り入れてみてください。

セラミドの疑問に
お答えします!
Q.加齢とともに減っていくセラミドを補う方法はないの?
ずばり、セラミドは増やせます!ダメージを受けた肌にスキンケアとして塗ると、角質層に浸透して、細胞間脂質の中でラメラ構造を再構築することが確認されています。ただ、一度塗ればOKということではなく、セラミドが配合されているアイテムを、継続して塗り続けるのが理想的だといわれています。
Q.保湿成分のアイテムはたくさんあるけれど、セラミドはどう違うの?
ヒアルロン酸やコラーゲンは、糸のように長い高分子構造が特徴で、その高分子が水分を抱え込み、肌表面でうるおいの膜を作り乾燥から守ります。一方セラミドは、肌の内側の角質層に入り込み、細胞と細胞の間で水分を抱え込んだ層を作ると同時に、細胞をきちんと整列させることで角質層を補修し、うるおいが逃げない肌へ整えます。セラミドで肌を整えたうえで、ヒアルロン酸などで外からも保湿するとさらに良いでしょう!