ロート独自素材が成長期の骨を成長させることを発見!

三重大学とロート製薬の共同研究 ロート独自素材が成長期の 骨を成長させることを発見!

ロートの独自素材であるオリゴミル(ミルクペプチド)が、成長期の骨の成長を促し、さらに、貧血に影響を与えるヘモグロビンの回復を促進させて赤血球を増やすことを発見しました。

子どもたちの成長を応援する製品開発のために

ロート製薬は、ロートグループ総合経営ビジョン2030「Connect for Well-being」を掲げ、事業活動を通じて世界の人々のWell-beingに貢献するとともに、健康で幸せに過ごすことができる持続可能な社会の実現を目指しています。その実現に向けて、ロートの独自素材であるオリゴミル(ミルクペプチド)の研究を進めています。

オリゴミルは2009年に素材開発された原料で、免疫賦活能※および抗アレルギー作用があることが明らかになっていました。オリゴミルには、数多くのペプチド(アミノ酸が2~50個程度つながったもの)が含まれており、ペプチドは生体を調節する作用を有することから、健康維持に対して非常に多くの可能性があると考えています。

今回、三重大学大学院地域イノベーション学研究科の西村訓弘教授および、同大学大学院医学系研究科の島田康人講師との共同研究で、健康な身体づくりを支えるカギとなる成長期に着目し、成長期の骨に対する影響について研究した結果、オリゴミルが成長期の骨化を促進し、成長を促すことを発見。さらに、骨の成長に欠かせない血液にも着目し、骨を作るために必要な血に対する影響についても研究をしたところ、オリゴミルが貧血モデルでヘモグロビンの回復を促進させることも発見しました。

今回の研究で明らかになったオリゴミルの成長期に与える効果については、未来を担う子どもたちがWell-beingな人生を送る上でも重要な知見であると考えています。今後もさらなる研究を進めることで、子どもたちの成長を応援できるような製品開発を目指していきます。
※身体の免疫を活発にすること。

【研究報告】
ロート独自素材のオリゴミル(ミルクペプチド)が成長期の骨を成長させる・赤血球を増やす

●Point1 成長期の骨化を促進し、個体の成長を促進させる

軟骨細胞が成長とともに骨化することが、骨伸長に重要であることが知られています。成長期のモデルであるゼブラフィッシュ幼魚にオリゴミルを与え、3週間後の骨および体長を観察しました。その結果、オリゴミル投与無しの対象群と比較して、オリゴミル投与群では、軟骨組織を増大させ、骨化した面積が増えること、個体の体長が増大することが確認されました。

図1.オリゴミル投与後の骨化した面積、体長

図1.オリゴミル投与後の骨化した面積、体長

【試験方法】ゼブラフィッシュの稚魚を4群(投与なし、低用量、中用量、高用量)に分け、オリゴミルを含有する飼育水で暴露することにより、オリゴミルの投与を行った。投与終了後に、組織染色を行い、顕微鏡で画像を取得した。骨化した面積および体長はImageJ Fijiを用いて計測した。(n=6~14, Mean±SEM, *p <0.05, 一元配置分散分析(One-way analysis of variance or One-way ANOVA): v.s. コントロール)(三重大学実施)

●Point2 貧血モデルでヘモグロビンの回復を促進させる

全身の血液量の増加は、個体の成長ならびに骨化に必要なことが知られています。血液量増加能を評価すべく、貧血モデルにてヘモグロビン量の変動を観察しました。その結果、貧血状態からのヘモグロビン量の回復が、オリゴミル投与無し群と比べてオリゴミル投与群で早いことが確認されました。

図2. 貧血モデルにおけるオリゴミルの効果

図2. 貧血モデルにおけるオリゴミルの効果

【試験方法】成魚ゼブラフィッシュを用いて、投与開始1週間前にヘモグロビンアッセイキットを用いてヘモグロビン(Hb)値を測定した。その後、通常飼育を行い、1週間後(0週)に、再びHbを測定した(貧血時Hb)。採血した成魚をコントロール群とオリゴミル投与群に分け、1日3回与えた。また、オリゴミル投与1, 2, 3週間後に、採血を行い、Hbを測定した(1, 2, 3週)。(n=5~17, Mean±SD, *p < 0.05, ***p < 0.001, Multiple unpaired t test: v.s. コントロール)(三重大学実施)