市民公開講座「スキンケアリテラシーを高め、賢く選択する時代へ」開催レポート!
2024年12月15日、第15回国際抗老化再生医療学会・学術大会にて、市民公開講座「スキンケアリテラシーを高め、賢く選択する時代へ」が開催されました。
インターネットやSNSを通じてスキンケアや美容施術の情報があふれる今、正しい選択をするためには確かな知識が欠かせません。
そこで本講座では、美容医療の第一線で活躍するドクターと美容インフルエンサーをお迎えし、スキンケアリテラシーを高める重要性と、機能性化粧品を賢く活用して美肌になるための方法を教えていただきました。
今回は、その内容をレポートにして皆さまにお届けいたします!
- INDEX
- コスメティックリテラシーを高める大切さ
- スキンケアのトレンド美容成分解説
- 形成外科医から見た美容施術とスキンケアの活用について
- パネルディスカッション「美容医療やスキンケアの正しい選び方、失敗談など」
お話いただいた方

座長・基調講演:尾見 徳弥 (おみ とくや)先生
日本医科大学客員教授

座長:山本 有紀 (やまもと ゆき)先生
和歌山県立医科大学病院教授

講演1:木村 有太子 (きむら うたこ)先生
順天堂大学医学部 皮膚科学講座 講師

講演2:奥村 千香 (おくむら ちか)先生
おくむらクリニック 副院長

パネルディスカッション:スペシャルゲスト mimiさん
「ベビーオイル洗顔」提唱者の美容愛好家。
2019年11月からTwitter(現X)で美容情報を発信し、自信の洗顔法として紹介した「ベビーオイル洗顔」が一大ブームに。コスパ良好なスキンケアと、適切な美容医療を考えて賢く選ぶ『インテリジェンススキンケア』を提唱。SNS総フォロワー数20万人越(2024年現在)に日々情報を発信中。
コスメティックリテラシーを高める大切さ

SNSを通じて美容情報があふれる現在、ハイドロキノンやアゼライン酸、レチノールなどをはじめとした機能性化粧品(コスメシューティカル)への注目がますます高まっています。
機能性化粧品は、その「機能性」ゆえに使い方に注意が必要である一方、医薬品や医薬部外品とは異なり、現在のところ法的な販売規制がありません。そのため、オンライン上でも簡単に購入することができる反面、それに伴う肌トラブルの報告も増えているのが現状です。
では、機能性化粧品をオンラインで購入する際、トラブルのリスクを減らすにはどうすればよいのでしょうか?
賢い消費者となるために必要なコスメティックリテラシーのポイントを教えていただきました。
― 機能性化粧品をオンライン購入する際に注意すべきこと
見極めるポイントは、オンライン販売でも「医療機関で購入する際と同様のサービスが受けられるかどうか」です。以下の点に注目して販売会社を選びましょう。
1. 購入前の肌状態チェック
これは医療機関における問診にあたる項目です。肌状態を確認するためのチェックリストなどを用いて、自分の肌にその化粧品が適しているのか判断できるかを確認しましょう。
2. ユーステストを含めた正しい使用方法の指導
初めて機能性化粧品を使用する際は、少量を目立たない部分に塗布し、最低3日間の「ユーステスト」を行うことが望ましいです。こうした注意点や、正しい使用方法がしっかり案内されているかを確認しましょう。
3. 肌トラブルが発生した際の対応
肌トラブルが起きた場合に備え、専任のカウンセラーや相談窓口が設置されているかも重要です。適切な対応が受けられる体制が整っているかを確認しましょう。
機能性化粧品を販売する側には、このような医療機関での販売と同等のサポート体制でオンライン販売を行うことが望まれる一方で、手軽に購入できる時代だからこそ、消費者側も正しい知識を身につけ、慎重に判断し使用する責任が求められています。コスメティックリテラシーを高め、賢く美肌を目指しましょうと教えていただきました。
スキンケアのトレンド美容成分解説

スキンケアを購入する際、以前はCMやパッケージのイメージを基に選択されることが多かったのですが、近年は「どんな美容成分が配合されているか」を重視する傾向が強まっています。インターネット検索においても「アゼライン酸 併用」といった複数のキーワードを組み合わせた検索が増えており、消費者の美容成分に対する関心や知識の向上が伺えます。
しかし、情報源の多くはSNSや口コミ、レビューであり、時には誤った情報が広がってしまうこともあります。そのため、情報の信憑性を見極める力が非常に重要です。
今回、木村先生からはビタミンC、セラミド、レチノール、アゼライン酸、幹細胞培養上清 など、今注目されている美容成分についての「正しい知識」を教えていただきました。
例えば、知っているようで知らない「ピュア成分と誘導体の違い」や、「化粧品と医薬部外品の違い」についても解説がありました。
よく「どちらが良いのか?」という疑問を持たれることがありますが、先生によると、これは単純な優劣ではなく、効果や刺激性、即効性、浸透性、配合濃度の規制など、それぞれの特性を理解した上で選ぶことが大切だといいます。
成分の違いや特性を正しく理解し、目的や肌質に合わせて選択することで、無用なトラブルを避けながらスキンケアを楽しむことができます。
正しい知識を身につけ、より賢いスキンケア選びをしていきましょう。
形成外科医から見た美容施術とスキンケアの活用について

年間260症例もの形成外科手術を執刀されている奥村先生から、普段目にする機会が少ない形成外科手術の実際や、正しいスキンケアの実践だけで肌が見違えるように美しくなる事例について、症例写真を交えながら解説いただきました。
中でも、すぐに実践できる「スキンケア方法の見直し」についてのアドバイスは非常に参考になります。以下に、奥村先生が提案される具体的なスキンケア方法をご紹介します。
1. クレンジング・洗顔は、入浴中・入浴直前には行わない
クレンジングや洗顔後の肌は、角質層が緩み、皮脂膜が取れた状態、つまりバリア機能が乱れた状態です。そのため、クレンジングや洗顔後は、1秒でも早く保湿を行うことが重要です。
しかし、入浴中や入浴直前にクレンジングや洗顔をしてしまうと、その後すぐに保湿ができず、長時間バリア機能が乱れたままとなり、乾燥や肌トラブルの原因になります。実際、肌トラブルを抱える患者の多くが、この習慣を持っていることが確認されています。
クレンジング・洗顔は、すぐに保湿ができるように入浴後、洗面所で髪を乾かした後に行うのがおすすめです。
2. メイクに使用するパフは毎日洗う
メイク用のパフは、1~3日で雑菌が繁殖するため、汚れたまま使い続けると肌トラブルの原因となります。パフは毎日洗うことを習慣づけ、清潔な状態を保ちましょう。
3. 赤ちゃんにスキンケアを行う感覚で、自身の肌を扱う
皮膚の角質層は非常にデリケートです。化粧品を使用するときは、肌をたたいたり押し付けたりせず、優しく丁寧に扱いましょう。また、シャワーを顔に直接あてたり、入浴時にゴシゴシこすることは、角質を無理やり剥がしているのと同じです。肌を大切に扱う意識を持つことが大切です。
― 正しいスキンケアで肌質を改善する
特別な美容施術を受けなくても、正しいスキンケアの実践だけで、肌の赤みが大幅に改善し、肌質が良くなる事例を多く見てきたと奥村先生は語ります。
シミを気にされる方は多いのに対し、間違ったスキンケア方法で肌に小さな炎症(赤み)が生じていることを自覚されている方は少ないです。しかし、スキンケアでこの赤みを改善することが、結果としてメラニン生成を抑え、くすみなど肌の印象を改善する大事なポイントになっています。
また、美容医療を行う際も、自分の肌のベースが良い方が美しくなる力は大きいです。奥村先生が提唱されている“ひふ”を自分の力で元気にしていく『ひふ活』を、ぜひ実践してみてください。
パネルディスカッション「美容医療やスキンケアの正しい選び方、失敗談など」
最後は、美容インフルエンサーのmimiさん、木村先生、奥村先生によるパネルディスカッションが行われ、具体的で実用的なアドバイスが飛び交いました。

― 美容クリニックを選ぶコツ、ポイントは?
価格の安さを重視して選んだクリニックでシミのレーザー治療をしたところ、逆にシミが濃くなってしまったという失敗談をお話してくれたmimiさん。この話を受けて、先生方にクリニック選びのポイントを教えていただきました。
一番大切なのは、皮膚の病変を見極める知識とレーザーなど治療機器についての知識、どちらも併せ持つ医師であるかということです。その判断材料の一つが「専門医」の資格です。皮膚科専門医、形成外科専門医の先生であれば、その領域のトレーニングを十分に積んでいるという証になります。
また、より良い治療を受けるためには患者側の努力も必要であるとmimiさんは語ります。先生の治療方針、スキンケア指導に納得したら、しっかりとそれを実践すること。また、予約時間に遅刻しないなど、人としてのマナーも信頼関係構築のために大切であるとお話され、先生方も大きく頷いていらっしゃいました。
― スキンケア選びのポイントは?
ライン使いにこだわる必要はないけれど、目的に合わせたスキンケア選びが重要であるとのこと。そのためには、やはり私たち消費者側にも成分についての知識が必要です。また、美容施術の後のダウンタイム中は、機能性のあるスキンケアは控え、なるべく刺激のない保湿重視にするなど、ライフスタイルに合わせてメリハリをつけることも教えていただきました。

今回の市民公開講座では、美容医療やスキンケアに関する知識を深め、正しい選択をするための具体的なヒントをたくさん得ることができました。
ロート製薬は、皆様のコスメティックリテラシー向上のお役に立てるよう、今後もセミナーやイベントを開催してまいります。
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