赤ちゃんの肌にやさしい製品の選び方のポイントをお伝えします。

赤ちゃん用スキンケア製品の選び方

赤ちゃん用のスキンケア製品を選ぶとき、「赤ちゃん」や「ベビー」と書かれているものを選ぶ方が多いと思いますが、赤ちゃん用製品はそれ以外のものと何が違うのでしょうか。
今回は、その違いについてと、赤ちゃんの肌にやさしい製品の選び方のポイントをお伝えします。

赤ちゃんの肌って?

赤ちゃんと大人の肌の大きな違いは、皮膚の厚みです。大人の皮膚と比べて、赤ちゃんの皮膚はその半分程度であり、肌のバリア機能が未熟であるため、外部の刺激にとても敏感です。また、赤ちゃんの肌は水分量・皮脂の分泌量が少ないためとても乾燥しやすく、乾燥によってさらに肌のバリア機能が低下するという、負のループが起こってしまいます。赤ちゃんの肌を健やかに保つために、刺激の少ない製品で、しっかりと保湿をしてあげることが大切なのです。

赤ちゃん用スキンケアを選ぶ時のポイント

敏感な赤ちゃんの肌には、刺激が少なく、かつ高保湿な製品が適しています。
まず、刺激の少ない製品を選ぶ時のポイントを紹介します。

➀刺激の弱いものを選びましょう

低刺激がうたわれている製品には、下記のような表記があることが多いです。

パラベンフリー 無香料 アルコールフリー 弱酸性 低刺激性

上記のような表記があると、「なんとなく肌に優しそう」と感じる方が多いと思いますが、それぞれの表記にどんな意味があるのか見てみましょう。

▽パラベンフリー
パラベンとはいわゆる防腐剤のことです。すべての防腐剤が悪いというわけではありませんが、パラベンのような防腐剤が刺激となる場合があります。成分表に「パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)」がないか確認してみましょう。他によく使用される防腐剤としては、「フェノキシエタノール」、「ヒノキチオール」、「安息香酸」が挙げられます。

▽アルコールフリー(エタノールフリー)
アルコール(エタノール)が肌に刺激となったり、乾燥を引き起こす場合があります。成分表に「エタノール」がないか確認してみましょう。

▽無香料
香料には化学合成された「合成香料」と自然由来の「天然香料」がありますが、どちらも肌の刺激となり、さらにアレルギー症状を引き起こす場合があります。また、赤ちゃんは匂いにも敏感なため、香料が入っていないものがおすすめです。

▽弱酸性
肌は弱酸性であるため、一般的に、肌と同じ弱酸性のものは刺激が少ないといわれています。また、大人の肌表面のpHは弱酸性ですが、赤ちゃんの肌表面のpHは中性に近いという違いもあります。肌表面のpHが中性に近づくと細菌が増えやすくなるため、赤ちゃんの肌には特に弱酸性がおすすめです。

▽低刺激性
低刺激性と書かれているものは、上記で例に挙げた、刺激となる成分を極力配合していなかったり、パッチテストや、スティンギングテスト、アレルギーテスト等を行い、刺激が弱いことが確認された場合に表示されます。

※パッチテスト済み、アレルギーテスト済み、スティンギングテスト済み等の記載の基準は各メーカーにより異なり、すべての方に症状が起きないわけではありません。

上記のような表記は刺激の弱い製品を選ぶ基準となりますが、赤ちゃんの肌に合わない場合もあるため、全身に使用する前にパッチテストを行うのがおすすめです。

パッチテスト方法の例 お風呂上がりなど皮膚を清潔にした状態で製剤を腕の内側に、10円玉大に薄く塗ります。
翌日24時間後に、製剤を塗った箇所を確認し、赤みやかぶれ、かゆみが見られなければ使用OKです。

➁保湿力の高いものを選びましょう

赤ちゃんの肌はデリケートで乾燥しやすいため、保湿力の高いものを選ぶ必要があります。
保湿剤としてよく耳にするのが「ワセリン」ですが、どんな効果があるのでしょうか。

▽「ワセリン」は水分の蒸発を防ぐ役割
ワセリンは、石油由来の精製された油性成分です。石油由来と聞くと「赤ちゃんに使っていいの?」と思われるかもしれませんが、ワセリンは高純度に精製されているため、皮膚への刺激も少なく、基本的には副作用も起こりにくいと考えられています。
ワセリンは、ラップのように油膜をつくることで水分蒸発を防ぎ、肌の乾燥を防いでくれます。また、外部刺激から肌を守る効果もあります。
ただ、ワセリンはあくまでラップの役割で、保湿作用はありません。赤ちゃんにおすすめの保湿成分としては、「セラミド」が挙げられます。セラミドは保湿をしながら、肌のバリア機能を高めてくれる成分です。「セラミド」等の保湿成分で水分を与え、ワセリンでフタをしてあげるといいですね。

▽ワセリン配合の乳液やクリームがおすすめ
ただ、ワセリンそのものは、塗り広げにくく、摩擦によって肌への負担になってしまうデメリットがあります。ワセリンそのものではなく、乳液やクリームにワセリンが配合されているものを使うと、塗り広げやすく、べたつきも抑えることができます。
また、普段使用している乳液やクリームにワセリンを混ぜて、保湿効果を高めるのも良いでしょう。特に乾燥しやすい冬の時期や、乾燥が気になる部位への使用方法としておすすめです。

パラベンフリー 無香料 アルコールフリー 弱酸性 低刺激性

大人用、赤ちゃん用製品に明確な違いがあるの?

赤ちゃんのスキンケアについて触れてきましたが、「赤ちゃんにも使える」と記載する基準は各メーカーによって異なり、明確な違いはありません。
ご紹介した選び方のポイントを参考に、赤ちゃん用のスキンケア製品を選んでみてくださいね。