耐用年数は50年!?これからの、足の守り方

耐用年数は50年!?これからの、足の守り方

人生100年時代と言われている今、楽しんで生きるためにとり入れて欲しいのが足の健康法。なぜなら、足の寿命はおおよそ50年と言われています。私たちの健康を支えてくれている”足の守り方“についてお伝えします。

足の痛みは仕方がないと思っていませんか?

巻き爪や膝の痛み、むくみといった足のトラブルが起きたら、どの診療科を受診するべきか迷いませんか?巻き爪なら皮膚科、関節の痛みは整形外科、むくみなら血管外科など、日本では症状によって診療科が分かれていますが、実は欧米には足のトラブルを全て診る“足病科”という診療科があります。足病医学は第二次世界大戦をきっかけに北米を中心に発展してきた医療分野で、戦力の維持には兵士の歩行が重要であるとされ、軍靴の改良や足のケアなどの研究が進みました。一方日本には、“長く歩くのに重要なのは精神力”という考えがあったため、足病医学が北米ほど浸透しなかったのかもしれません。

足の痛みは“よくあること”として片付けられがちですが、本来は重労働をする足だからこそ、守ることを考えなければなりません。若い頃は数日で治まっていた足の痛みは、50歳を超えるとそうはいかなくなってきます。足の耐用年数は約50年とも言われています。これは、何もしなくても大きな問題なく足を使えるのが50年くらいだということです。

足の健康は人生の質を決めるもの。歩行の困難は生きる意欲の低下にも繋がり、身体だけでなく心の健康にも大きく影響します。人生100年時代と言われる今、楽しく長生きできるよう、しっかり歩くことのできる足を長く維持していきましょう。

靴のサイズの変化は老化のサイン!?

50歳を過ぎて「いつも履いている靴がきつくなったな」と感じたら、それは足にとって重要な【アーチ】が崩れているのかもしれません。アーチとは、土踏まずによって立体的になっている足の構造のこと。アーチが崩れると、土踏まずが地面に着くようになり、足がベターっと横に広がって、同じサイズの靴でも窮屈になるのです。50歳を超えると親指が曲がったり、外反母趾になったりする足の変化。これらは足のアーチが崩れ、窮屈になった靴を履き続けることが原因のひとつと言えます。

50歳を超えたあたりから、崩れやすくなる足のアーチ 3本のアーチが全体的に崩れると扁平足に。
①外側の縦アーチかかとと小指のつけ根を結ぶ縦に伸びるアーチ②内側の縦アーチかかとと親指のつけ根を結ぶ縦に伸びるアーチ③横アーチ 5本の指のつけ根を結ぶ横に伸びるアーチ

また、アーチの崩れは、女性なら必ず起こるエストロゲンの減少にも関係しています。女性ホルモンであるエストロゲンの減少は、筋力や骨密度の低下を招きます。さらに靭帯や腱も緩み、アーチを保てなくなるのです。

アーチの崩れは歩行困難の恐れも!

アーチの崩れは、外反母趾や魚の目、巻き爪につながるだけでなく、やがて歩行困難になる可能性もあります。そもそも、アーチは長い距離を歩くのに必要な構造で、これにより地面に当たる衝撃を吸収し、足をけり出して身体を前に進めていくことができます。しかし、アーチが崩れると、けり出す力が弱まるためペタンペタンという歩き方になり、疲れやすくなるのです。また、アーチの崩れを関節で補正しようとするため、足首、膝、股関節と、どんどん上に負担がかかるようになっていきます。

アーチの役割は“衝撃の吸収“と“けり出し“アーチは、“長く歩く“ためにある!衝撃の吸収のためアーチが沈み込むアーチが沈み込むことで、地面に着地したときの衝撃を和らげることができる  けり出す力の増大のためアーチが高くなる アーチが高くなることで、足の指で地面を押す力が増大し、けり出すことができる

足に過度な負荷がかかっていないかどうかチェックするには、靴の底を見てみてください。両足とも、かかとの外側とつま先の内側がすり減っている場合は問題ありません。しかし、左右で減り方が違ったり、一部分だけがすり減っている場合はどこかに問題がある証拠。アーチが崩れている可能性があります。

巻き爪や魚の目などの足のトラブルが起きたら、足病医は“なぜ起きたのか”と原因を考えます。歩き方のクセやアーチの崩れによる足の変形というようなそもそもの原因を改善しないことには、根本から良くなることはありません。魚の目、巻き爪、皮膚の乾燥、だるさや痛みなど、それくらいのことと思いがちですが、それらは足の早期病変で、後々大きな問題につながる可能性があります。

自分の足に関心を持つことが、足を守るための第一歩です。お風呂上がりや着替えの最中など、自分の足を見る習慣を持つようにしましょう。

アーチが崩れていませんか?“靴の裏側“をチェックしましょう!

靴の裏側の減り方が偏っている場合は、アーチの崩れなどによって
足に何らかの過度な負荷がかかっている可能性があります。
靴の裏側の減り方をチェックしてみましょう。

問題のない減り方 この状態だと問題なし!OK! かかとの外側あたりと、つま先の内側あたりが左右とも同じように減っている場合は問題ないでしょう。かかとの少し外側から着地し、足裏全体をつき、親指のつけ根で地面をけるよい歩き方だと考えられます。かかと全体が減っている 前方への体重移動が上手くできず、重心が後ろにかかっていると考えられます。内側だけ減っているかかとが傾き、過度にアーチが崩れている可能性があります。減り方が左右非对称 足の重心がどちらかに偏っていることが考えられます。外側だけ減っている 重心を内側に移動できず、衝撃を十分吸収できていないことが考えられます。

靴選びのポイントと足のセルフケア

足の変化を感じたら、対応することが大切です。
靴選びのポイントやケア方法についてお答えします。

Q.1 靴を選ぶ時は何に気をつけると良い?

アーチが崩れると靴が窮屈になることがあります。
足長だけでなく幅を考えて選びましょう。

靴選びのポイント

  • 自分の足のサイズに合っていること
    シューフィッターのいるお店で、計測してもらうとよい
  • かかとが合っていること
    靴で重要なのはかかと、足首を安定させることが大切
  • 親指のつけ根が曲がる
    歩行で重要なけり出しがしやすい
  • 靴底が硬くてしっかりしている
    柔らかいと疲れやすさやタコの原因に
  • 試着は夕方にできるだけ歩いて試す
    足がむくみやすくなる夕方に試着を。できるだけ店内を歩いて違和感がないかを確かめる
  • 紐を結ぶ靴が望ましい
    甲を固定させると、足を機能的に動かせる
  • つま先に少しのゆとりがある
    1~1.5cmゆとりを持たせる

Q.2 ヒール靴を選ぶ時は?

不安定で足に負担がかかりやすいヒール靴。
着用が必要な場合は、できるだけ以下のポイントを押さえて選びましょう。

ヒール靴選びのポイント

  • ヒールの高さは4cm以内に
  • 細いヒールより太いヒールを
  • ウェッジソールがベター
  • ストラップつきがベター
アーチを支えるアイテム
足を診てくれるクリニックがある場合は、医療用インソール(靴の中敷き)の相談を。その人の足に合ったものを作ることができ、保険が適用されます。アーチの崩れを矯正し、アーチの崩れから起こるさまざまな不調が改善されることも。シューフィッター(専門知識・技術をもった靴の販売員)のいる靴店で相談するのもいいでしょう。

Q.3 マッサージやストレッチ法は?

足のトラブルがある人もない人も、トレーニングやマッサージで
よい状態を維持することができます。4つのセルフケアをご紹介します。

01 アーチを引き上げる筋肉を鍛える★左右各10回程度 1  足の裏を床につけて椅子に座る 2 つま先を少し外側へ向ける 3 小指とかかとを床につけ、親指側を浮かせる 4 足の外側で床をこするように、足首を内側に向けて動かす 02 偏平足を防ぐ★左右とも1分程度 手で足裏をゆっくり反らし、もう一方の手でつかむようにしてよく揉みほぐす 03 足指のストレッチ&トレーニング ★左右各10回程度 1 足指をすべて内側に折り曲げ、足指の下の骨がしっかり隆起するくらいまで丸める 2 親指だけを立て、ほかの指は内側に折り曲げる。親指だけを折り曲げる逆も行うとよりよい 3 できるだけ足指を大きく広げる。ヒール靴を履いた日はしっかりと行う 04 動かせる足指を維持する ★左右各5回程度 1 椅子に浅めに座り、足を膝より前に置く 2 すべての足指を反らす。指の間はできるだけ大きく広げる 3 アーチを下げないように注意しながら、親指だけを下ろす。かかとが浮かないように、力を込める 4 アーチを引き上げるような感覚で、親指以外の指も下ろす 5 床をつかむような感覚で、すべての指を内側に折り曲げてつま先を持ち上げる
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