近視の進行をおさえる!注目の成分「クロセチン」とは?

クロセチンという成分をご存知ですか?クチナシの果実やサフランに含まれる黄色の天然色素で、最近、目の健康に役立つ成分として研究が進んでいます。今回はクロセチンの最新情報をお届けします。

タブレット端末を操作する女性

昔から活用されていた!クロセチンの秘密

クロセチンは、クチナシの果実やサフランに含まれる黄色の天然色素です。
ニンジンに含まれているβ-カロテンなどの仲間(カロテノイドの一種)で、「抗酸化力」に優れています。クチナシやサフランは、古くから生薬としても用いられ、人々の健康に寄与してきました。

クチナシの実

クチナシの実

こどもの近視進行抑制にクロセチンの働き

そんなクロセチンは、子どもの目にも良いことが分かってきました。
最近増えている子どもの近視。多くは、「眼軸長(がんじくちょう)」と呼ばれる眼の奥行きの長さが伸びすぎて、網膜にピントが合わなくなるものです。

正視:網膜にピタリとピントが合って、クリアな像が結ばれます。 近視:網膜より手前にピントが合ってしまいます。近くは見えますが遠くはぼやけて見えにくくなります。 遠視:網膜より後ろにピントが合ってしまいます。こどもの遠視は斜視や弱視になる可能性もあり、治療が必要な場合もあります。

2019年、慶應義塾大学と大阪大学、ロート製薬の研究グループにより、クロセチンがこどもの眼軸長の伸び・屈折度数の近視化を抑制することが報告されました。

眼軸長変化量と等価球面度数変化量のグラフ

6歳~12歳の弱度から中程度の近視( -1.5D~-4.5D )の男女69人を対象に試験を行い、クロセチン7.5mgを含むソフトカプセルを1日1回、24週間服用してもらうと、クロセチンの入っていないプラセボを服用した群に比べ、近視進行を有意に抑制する効果があることが確認されています。

データ:Mori K, Torii H, Fujimoto S, et al.(2019) J. Clin. Med. 2019, 8, 1179;

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